午後2時を少し回ったころ、ファンタスターの山下さんという方から電話。所属タレントのDVDを発売して欲しいとのこと。
山下さんと会う時間を作ろうと、互いのスケジュールを付け合せるがなかなか思うようにいかず、タレントプロファイルを送ってもらい、後日こちらから電話することして電話を切る。
ファンタスターの書類封筒到着。封を空け、クリアファイルを取り出すと山崎真実のプロファイルが入っていた!! ミスマガジンコンテスト2004の候補者たちが紙面を飾り始めて以来、ずっと個人的なイチオシとして見ていた山崎真実!!
DVD発売の可能性を探ろうと、何度も『山崎真実』をネットで検索してみても見つからなかった山崎真実の所属事務所、そして山崎真実の担当マネージャーがファンタスターの山下氏だった!! なんという運命のめぐり合わせ!! 上司に山崎真実のプロファイルが届いたことを報告。すぐにコンタクトをとるOKをもらった。
山下氏に連絡。やはり時間を合わせることができない。お互いスケジュールを遣り繰って、改めて連絡を取り合うこととする。
この業界、『運』が新しい仕事を生むのだ、と改めて実感。
映画部宣伝課・臼井氏とエレベーターの中で立ち話。『テキサス・チェーンソー』のキャンペーン・ガールを探している、とのこと。
山下さんの顔が頭に浮かび、山崎真実の起用を臼井氏に提案。デスクに戻り、山下氏に連絡を入れ、キャンペーンの主旨を説明し、OKをもらう。後日、担当者より改めて連絡させることを約束して電話を切る。
山下氏と僕とのスケジュールは合わなかったが、臼井氏と山下氏のスケジュールはうまいこと合うかもしれない。
予想以上に早く、山崎真実本人と会える機会が訪れるかもしれない。ワクワクする。
山下氏が『テキサス・チェーンソー』キャンペーンの打ち合わせに来社するとのこと。
山下氏とは、お互いスケジュールをさんざん遣り繰ったにもかかわらず、なかなか合わせることができない。この機会を逃すと山下氏と会うのはいつになるやら。
先約をいれていた相手に連絡を入れ、なんとか時間を30分ずらしてもらうことに成功。山崎真実のマネージャー、山下氏が会社にやって来る!! 一気にDVDの話をつめてみるか!!
山下氏が『テキサス・チェーンソー』キャンペーン打ち合わせで来社。その後に時間をもらい、山崎真実の近況をうかがう。
それにしても山下氏の顔には見覚えがある。勇気を振り絞り、以前会ったことがないですか?と切り出してみる。お互いの過去に遡り接点を探すと・・・やはり! 大阪で仕事をした際に、一日一緒に仕事をしていたことがあったのだ!! 運命的な再会に大いに盛り上がる。
盛り上がるだけ盛り上がった後に山崎真実DVDの制作・発売を提案し、山下氏から快諾を得る。
山崎真実のプロファイル到着といい、山下氏との再会といい、『運』に『縁』が加わった。山下氏とガッチリ握手をして別れる。
こんなことって本当にあり?まさに“事実は小説より奇なり”。
『テキサス・チェーンソー』のキャンペーン日。朝からソワソワして落ち着かない。
山崎真実到着の連絡を受け、押っ取り刀で控え室に駆けつける。現場マネージャー・中瀬嬢と名刺交換。キャンペーン出発準備中の山崎真実本人にも挨拶。
立ち上がった彼女の、予想以上の背の高さとスタイルの良さに驚嘆。ポニーキャニオンからDVDを出そう、と約束をして握手。
突然のイメージDVDプロデューサーの乱入に戸惑いながらも笑顔を返してくれた山崎真実。カワイイというよりキレイが正しい表現だな。
山下氏より、ファンタスター社長・矢部氏が、ポニーキャニオンからDVD発売にOKを出した。すぐに会いたがっている、と連絡が入る。
山下氏に間に入っていただき、ファンタスターに出向く日程が決定。
ファンタスター。矢部社長にご挨拶。
ここでまたまたビックリ!! 矢部社長はナインティナイン・矢部浩之さんの実のお兄さんなのだ!! なにかの番組で見たやべっちのお兄さんが目の前に立っている!!
2005年春に1年半ぶりに復活させるファイブスターレーベルでのDVD発売を提案。DVD発売に対してはOK。ファイブスターには難色。検討して後日返事をくれるとのこと。
初対面でのハードな交渉は、DVD制作・発売まで破談にしかねない。これ以上の深追いはしないと判断。
その後は山崎真実のデビューから現在までの経緯をうかがい、感心することしきり。山崎は愛されているなぁ。
元・宝塚トップスター 紫吹淳さんのDVDジャケット撮影をしている最中に矢部社長より携帯に電話。熟慮の結果、ファイブスターDVDでの発売は考え直して欲しい、とのこと。
長い時間話し込むが、矢部氏の決心は揺るがない。一旦電話を切り、上司に電話で相談。僕の判断に任せるとのこと。
スタジオに戻ろうとしたところで、撮影を終えた紫吹淳さんが出てきた。慌てて時計を確認すると矢部社長から電話を受けてから約1時間が経過していた。
会社に戻る最中も熟考。会社に戻り矢部氏に連絡。ファイブスターDVDではなく、山崎真実DVDとして発売する決定を告げる。
受話器の向こうから矢部氏の安堵のため息が聞こえる。矢部社長は悩みに悩んだ末に、ファイブスターDVDでの発売を考え直して欲しいと申し出ていたんだなぁ。
改めてファンタスター訪問。山崎真実DVDの企画内容で盛り上がる。
イメージDVDの仕事を始めて7年。ここまでタレント戦略を考え、さらに愛情を注いでいる社長を久しぶりに見た。
熟慮を繰り返しながら、山崎真実の将来の絵図を描いている。愛情に溢れた事務所に所属している山崎真実はしあわせだなぁ。
前回のファンタスター訪問時に、矢部社長より撮影スタッフを一任されたことを受け、演出家をはじめとするスタッフの選定に入る。
石川亜沙美さん、奥田佳菜子ちゃんDVDの演出をお願いした中村直彦氏を演出に。ポニーキャニオンDVDでは長い間VEとして参加してもらってきた庄田充司氏に、本来の撮影カメラマンとして参加してもらうことに決めた。
スチール撮影は平山綾(現・あや)ちゃんのファーストDVDのジャケットや奥田佳菜子ちゃんDVD&写真集の撮影をお願いした若林広称氏。ヘアメイクに、腕はもちろんのこと、現場のマスコットとして現場を和ませる野田恵理嬢。宮地真緒ちゃん、豊岡真澄ちゃんDVDでスタイリングをお願いした上野真紀女史に連絡を入れ、山崎真実DVDに参加して欲しい旨相談。
同時にファンタスターの背景を説明。すると、上野女史が矢部浩之さんのスタイリングを行っていることが判明! なんたる偶然!! 山崎真実DVDプロジェクトを動かしている『運』と『縁』に『偶然』が加わった!!
矢部氏に連絡。スタッフィングは一発でOKが出る。山崎真実を含めると、ロケ参加メンバーの平均年齢は20代後半。ポニーキャニオンロケ史上最も平均年齢の若いロケ隊となった。
スタッフの若い力と、山崎真実の若い才能がぶつかり合う現場を作りたい。さぁ!プロデューサーの腕の見せ所だ!!
山崎真実DVDのロケ地がケアンズに決定。ケアンズは小野真弓ロケ以来。
コーディネーションをお願いするケアンズの鈴木氏とも気心の知れた仲。鈴木氏は制作をお願いしたエンジンネットワークの垣花くん、後藤くんともツー・カーの仲。最強の制作スタッフと最強のコーディネーターがいれば、多少プロデューサーが頼りなくても彼らが助けてくれる。
彼らの手腕は、間違いなく若いスタッフたちも引っ張ってくれるはず。安心の布陣が完成した。
あー、よかった!
オールスタッフ顔合わせの後、山崎真実と中瀬嬢を囲んで懇親会。
ロケ出発までに、この懇親会とフィッティングの2回しか山崎真実と会うチャンスがない。少ない機会で山崎真実の緊張を解かなければならないし、スタッフとも仲良くなってもらわなければならない。
食べ物の好き嫌いから、彼女が興味を持っていること、DVDでやってみたいこと、服の趣味等、ロケに関わる大事な部分も聞き取らなければならない。
雑談という雰囲気を崩さずリサーチしていく。しかし、人見知りなのか、山崎はこちらが思うようには口を開いてくれない。かなり焦る。
さらに「わたし、こう見えてもツッコミなんですよ」という発言に、それまでのスタッフたちとのやりとりから間違いなくボケだろうと考え、彼女のボケの部分をメイキングでおさえようとしていたプランがガラガラと音をたてて崩れた。
「えーっ!?真実ちゃんはボケでしょう!」とオーバーリアクションで返してはみたが内心かなり動揺していた。
小説「ディープ・ラブ」に話が及び、やっと話が転がり始めた。僕も含めスタッフ全員は、現象としての「ディープ・ラブ」は認識していたものの、誰一人完読した者はいなかった。宿題として全員に「ディープ・ラブ」を読むよう指示。
そうこうしているうちに中村監督の中に撮影のアイディアが浮かんだらしく、本人に後日ビデオを渡す、と約束している。なんのビデオだろう?
中村監督の撮影案については個別に打ち合わせすることが決まる。解散。
今回の食事会では「ディープ・ラブに感動した」以外に大したことは聞き出せなかった・・・。やばいなぁ。彼女の素の部分に迫ったDVDが作れるかなぁ・・・。
ポニーキャニオンで撮影案の確認とフィッティング。
中村監督が山崎に渡したのはマドンナのPVだった。新体操で培った体のしなやかさと動きを、このビデオを見て真実ちゃんなりに表現して欲しい、と。この日に向けて、スタイリストの上野女史が数十パターンにも及ぶ衣装を集めてくれた。
次々に衣装を着替え、中村監督のイメージに合う衣装が選ばれてゆく。フィッティング終了後、改めて監督の構成台本と衣装のつけ合わせが行われて衣装確定。
出発当日のスケジュール確認。僕と中瀬嬢、山崎は、スチールカメラマン・若林氏の車で成田に向かうことに。
打ち合わせ終了後、会社近くの焼き鳥屋で壮行会。ここで矢部社長合流。スタッフたちと山崎、中瀬嬢、矢部社長が談笑している。
前回の食事会より彼女とスタッフたちとの距離が縮まっている。いい感じ。あとは僕が仲良くなれれば、撮影カメラの前で緊張する彼女をリラックスさせることができる。
責任重大だなぁ。大丈夫かなぁ?
出発当日。接近する台風の影響で夕方から小雨。山崎と中瀬嬢をピックアップしたはずのカメラマン若林氏の車が、約束の時間になっても到着しない。
心配していると「ダイナモの調子がおかしい。バッテリーは新品だが成田まで辿り着けるか不安だ。」と連絡が入る。
スチール機材と個人の荷物を積むことを考えると、ワゴンタクシーが必要。タクシー会社に電話をするが、あまりに急すぎてワゴンタクシーがつかまらない。
予定より30分遅れで3人が到着。改めて若林氏に状況を確認すると「今日に備えてバッテリーもタイヤも新品にした。
僕と藤田さんだけなら成田に向かいますよ。真実ちゃんと中瀬さんが乗っているから大事をとった方がいいと思ったから連絡しただけです。大丈夫。いけますよ。」と心強い言葉。
成田に向け、出発。JAFに連絡を入れ、成田空港での車の引き取り修理の手配。ところが、新橋から高速に乗った途端にワイパーが停止。この雨は今より激しくなることはあっても止む事はない。
ケアンズに向けて出発するスタッフ全員のチケットを持っているのは僕だ。ケアンズでは既にロケハン隊が頑張ってくれている。腋の下がイヤな汗で濡れはじめ、胃が小さな悲鳴を上げた。
箱崎インターで一旦高速を下り、改めてタクシー会社に電話。やはりワゴンタクシーはつかまらない。意を決して再び高速に乗り、成田空港を目指す。
新品とはいえ、電気系統をバッテリーだけに頼っている状態のため、電気機能はできる限りストップさせる。街燈と街明かりで運転できる間はヘッドライトを消し、スモールのみで走行。もちろんエアコンもデフも使えない。
小雨が降っているが、窓を開けていないとフロントガラスが曇ってしまう。雑巾でフロントガラスを拭きながらの走行。
舞浜あたりでワイパーに続いてパワーウィンドウが停止。たまたまウインドウを開けていて助かった。もし閉めている状態だったら・・・と余計なこと考えて、胃が悲鳴を上げた。
いつもならディズニーランドを右手に見ながら、過去の恋愛話でも一発かまして盛り上がるところだが、車内にはそんな雰囲気は微塵もない。JAFから成田空港での引き取り修理の手配が完了した、と連絡が入る。この頃には、後部座席の山崎と中瀬嬢を気遣う余裕がまったくなくなっていた。
穴川を過ぎた辺りでヘッドライトなしでは走行できなくなり、ヘッドライト点灯。みるみる計器盤の照明が暗くなっていく。そしてついには完全に消えてしまった。
しかし、その後は何事もなく走行。四街道通過! 行けるッ! 成田市の標識が目に入った! よぉーし、これはこのまま行けるぞっ! と全員で盛り上がった瞬間、いきなりエンジン音が止まり、惰性走行に入った。
静まり返る車内。頭がパニックを起こし、何が起きたのか一瞬理解できずにいた。若林カメラマンは慌てず車を路側帯に寄せて停車。ついに止まってしまった・・・。成田市の標識の約100m手前で。
この瞬間、僕の胃はこれ以上ないほどの悲鳴をあげていた。左前方を見ると、着陸する飛行機の赤いライトが見える。嗚呼、あと少しだったのに・・・。
気を取り直してJAFに連絡を入れ、成田空港で待機していた車を高速上に回してもらうよう手配。
時計を見ると、上野女史、野田嬢との待ち合わせの時間。上野女史に連絡を入れ、高速で車が故障したことを告げる。
その後しばらくは、着陸する飛行機の赤いライトを見ながらJAFが到着するのを呆然と待っていた。
突然顔に懐中電灯の光を当てられ驚いて顔を向けると、道路公団のパトロール車両が到着し、雨の中、合羽を着た隊員が2人立っていた。JAFから連絡を受けて駆けつけたとのこと。
事情を説明しているとJAFから電話。停車位置がわからず迷っている様子。パトロール隊員に電話を渡し、詳しく位置を説明してもらう。
別のパトロール隊員が追突を防ぐ為に、パイロンの位置を変え、発炎筒をたいている。大ごとになってしまった。
さらに待つこと5分。JAFのローダーが到着。ウィンチで引き上げ、車をローダーに載せる。若林氏と中瀬嬢、松山はローダーに乗せられた車に残り、僕はJAFのスタッフと共に運転席。帰国後の車の受渡し、請求書の送付先などの手続きを済ませて成田空港に向かう。
約束の時間から1時間遅れで成田空港到着。もともと搭乗の3時間前到着でスケジュールを組んでいたおかげで、時間のロスを最小限に食い止めることができた。
JAFのローダーを見つけ、先に到着していた上野女史と野田嬢が駆け寄ってきた。彼女たちの笑顔を見て、ドッと肩の力が抜ける。
JAFのスタッフに丁重に礼を言い、チケットカウンターに向かい、搭乗手続き。一時は乗り遅れたらどうしよう、と気が気でなかったが、これでケアンズに向かうことができる。落ち着いたところで山崎と中瀬嬢に謝罪。
ところが二人ともめったにできない経験ができました。気にしないで下さいよ、と喜んでいる。きっと憔悴した僕と若林氏を見て同情してくれたんだろうな。
搭乗前に空港のレストランで食事をする時間が作れたが、せっかくの食べ物も胃が受け付けない。きっとプチ潰瘍ができているに違いない。トホホ・・・。
ケアンズ到着。
先発隊のエンジンネットワーク垣花氏、後藤氏、カメラマン庄田氏、VE山口氏そしてコーディネーターの鈴木氏が迎えてくれる。
熱帯の眩しい日差しを期待していたが、空は曇っている。
そのままカフェテリアに向かい朝食。ここは小野真弓ちゃんのロケの時にも来たカフェテリア。すごく美味しい上に量がオージー・サイズ。山崎も美味しそうに朝食を食べている。
スタッフの中に雨男か雨女がいるのか? 朝食を食べ終わる頃には雨が降り出した。ホテルに戻って香盤打ち合わせ。
昼まで休憩し、雨が上がるまで、山崎のウォーミングアップを兼ねて室内インタビュー撮影。事前予想以上にテンションを上げてきた山崎にひと安心。
インタビューを終えると雨が上がり薄日が差してきた。砂浜の流木を使った撮影の為にホテルを出発。
このシーンの撮影で、僕らは、山崎のこのDVDに賭ける真剣さと熱意に心を打たれることになった。カットがかかると、彼女は必ずモニター前まで駆け寄ってプレビューを要求してきた。
モニターで自分の撮影された姿を確認し、修正すべきポイントを探し、自分で納得がいくまで演じるのだ。
まだこの仕事をはじめたばかり。引出しなんか持ってませんから、一日一日、ワンシーンワンシーンを確認しないと不安なんです、という彼女の姿にスタッフが心を動かされていくのがわかる。
山崎真実DVD、面白い作品になりそうだ!
撮影2日目。「天空の城ラピュタ」の参考になったといわれる大木が林立する森での撮影。
待ち時間にマネージャーやスタッフと談笑する山崎の表情と声が昨日までとまったく違う。打ち解け、リラックスした表情に変わっている。
よし! 彼女のプロ根性とこの雰囲気なら間違いなく面白いものが撮れる!
プチホテルに移動し、スプリンクラーとイメージシーンの撮影。イメージシーンの撮影中に観光客の団体が到着し、興味深げにモニターを覗き込んだり、撮影風景を眺めたりしているが、山崎の集中力は途切れない。
なんなんだ!? このコは!
最後にスクラップ置き場での撮影。さすがに「セブンティーン」のモデルも務めていただけあって、カジュアルな服装もよく似合っている。
撮影3日目は早朝スタート。
撮影の為にレンタルしたハウスの、庭、室内、プールを使っての撮影。ここではじめてベッドを使ったシーン。
照れからくる迷いで、山崎がスタッフに助けを求めている。新人らしい初々しさが微笑ましい。男性の視点、女性の感覚などスタッフたちからアドバイスをもらい、山崎がベッドの上で一生懸命演じている。
モニターを見ていた僕らは、彼女のあまりの可愛らしさに完全にノックアウト。山崎真実のDVD、企画してよかった・・・、そう何度も呟いてスタッフの失笑を買ってしまった。
3ポーズ5シチュエーションの長回し。ワンカット20分超×3回の撮影にもかかわらず、彼女は集中力が途切れない。昨日のプチホテルでの撮影でも、その集中力に驚かされたが、ここでもそれを遺憾なく発揮してくれた。
さすがに新体操で国体に出場したことはある。中・高時代に培った体力、度胸、根性そして集中力は、これからもきっと彼女を支えてくれることだろう。
海と川が合流する海辺に移動。マドンナのPVを参考に演技プランを考えて欲しい、と監督が山崎にオーダーしていたシーンの撮影。海辺特有の強風に、用意していた布が煽られて、思うように演じることができずに苦労している山崎の姿を見て、自然にコブシに力が入る。山崎、頑張れ!!
しばらくすると「青い空」「水平線」「青い海」という雄大な自然と一体になって舞う山崎の姿にすっかり見入ってしまっている自分に気がついた。まるで一枚の絵画のようだった。イメージDVDの撮影で、このような感想を持つのは極めて珍しい。いや、初めてかもしれない。
夕暮れに合わせて、さらにワンシーンを撮影して、全香盤終了。撮影プランから一つも撮りもらすことなく終了!
山崎真実の情熱がスタッフ全員に感染し、「山崎の為にいい作品を作ろう!」というイイ雰囲気と熱気溢れる現場で撮影を終えることができた。感無量。
食事を終えても皆部屋に帰ろうとせず、結局、山崎と中瀬嬢の部屋についているルーフバルコニーでプチ打ち上げ。
撮り終えたばかりなのにこう感じるのもなんだが、山崎真実は是非もう一度撮ってみたいタレント。このDVDと比べて彼女の成長ぶりが見ている人に感じられるようなタイミングでもう一度やってみたいなぁ。
山崎真実、帰国日。
空港までスタッフ全員で見送りに。チェックインを終えたが、出発ゲートをくぐるには時間があったので、しばしロビーのベンチに腰掛けて談笑。
山崎のパスポートを見せてもらったが、その写真にしばし絶句・・・! 僕らの前やグラビアで見せる、あの柔らかい表情のかけらも感じさせない写真だったのだ。
驚いている僕の表情を察して、この写真は新体操で一番頑張っている時に撮った写真。この頃はキャプテンとして部員を引っ張っていかなければならなかったし、部員を代表して顧問とも意見の交換をしなければならなかったし、自分も新体操で勝っていかなければならなかったし。私の人生の中で、自分にも他人にも一番厳しい時だった、と教えてくれた。
自分の演技をモニターでチェックするときの厳しい表情や舌を巻くほどの集中力。そして仕事に対する真摯な姿勢は、やはり新体操時代に培われ、そして今グラビアの世界でそれが山崎真実を支え、育てているのだと改めて感じた。
山崎真実、是非、もう一度撮りたい! きっと彼女はその時も僕らを驚かせてくれるに違いない。帰国したら矢部社長に話をしよう!

山崎真実DVD。山下氏からの電話を僕が受けるという『運』から始まったプロジェクト。その後も『縁』と『偶然』が積み重なってプロジェクトを動かしていったと言っても過言ではない。
僕らは山崎真実という稀有な才能に『運』と『縁』と『偶然』出会えたと思う。しかし、僕らが撮影し、編集し、作品として世に出す作品は、彼女にとって『偶然』ではなく『必然』の作品でなければならない。
あのタイミングでポニーキャニオンからDVDを出したからこそ、あの作品があったからこそ、今の山崎真実がいる、と言われるような作品にしなければならない。